上下顎歯槽骨後退は、先天性や成長過程において下顎が異常発達してしまい下顎が上顎よりも前にある、または上顎の成長が遅れてしまい反対咬合となる顎顔面変形症の一つです。上下顎歯槽骨後退の手術の方法は、上顎分節骨切り術と下顎分節骨切り術があります。上下共に左右第4歯(第1小臼歯)または第5歯(第2小臼歯)を抜歯して、左右第1歯から第3歯または第4歯までの歯槽骨部を水平骨切りして分節し、空いたスペースを利用して後方へ移動させチタンプレートで固定します。その後上下の顎と歯の嚙みあわせを調節します。通常の口腔外科では下顎枝矢状分割法や下顎枝垂直骨切り法という手術があり、ダウンタイムは2週間から1ヶ月の入院と顎間固定・鼻腔チューブ栄養が必要となります。そして術後2年から3年間の歯列矯正も必要です。上下顎歯槽骨後退ならば全身麻酔ではありますが、短時間の手術で受け口や出っ歯などを改善させることが可能となります。
上下顎歯槽骨後退のダウンタイム
上下顎歯槽骨後退のダウンタイムは、2週間前後の腫れがみられます。この間バンテージ(固定)やドレーン(血を排出するための管)を装着して生活しなくてはなりません。大きな腫れ自体は4日ほどで引いてきますが、1週間から2週間くらいを目安にしてください。バンテージは1週間で取ることができますが、術後4日目くらいまで頬から首にかけて内出血が現われる場合があります。この内出血は約10日程で自然に消えていきます。上下顎歯槽骨後退で骨を切り、約5ミリから8ミリ歯を移動させるのですが、骨には知覚神経がないので、術後の痛みは軽い鈍痛くらいがあります。痛みのピークは2日から3日で、その後は段々と軽減していきます。また歯に術後の感覚麻痺が30パーセントほどの方に起こりますが、4ヶ月から9ヶ月ほどで回復します。稀に3パーセントから5パーセントの方に軽度の麻痺が残る場合もあります。この麻痺は服の上から肌に触れているような感覚です。
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