上下顎歯槽骨後退とは、出っ歯などを治すために行われる治療のことを言います。上下顎歯槽骨後退は上下の歯の第4歯または第5歯を抜歯して、空いたスペースに出っ張っている歯の部分を後退させることで出っ歯を治します。
この手術の良いところは短期間で出っ歯を改善することができることです。矯正などでも出っ歯を改善することは可能ですが、1年から3年と治療が完了するまでに非常に長い時間がかかります。ですが、この方法で治療を行えば手術時間は2時間から3時間程度で済みますし、2週間のダウンタイム期間がありますが矯正するよりもはるかに短い時間で治療を終えることができます。
その他にも顔の輪郭の形が変わるのでスッキリとした印象になるなどのメリットがありますが、一方で手術が必ずしも成功するとは限らないことを留意しておきましょう。手術が失敗すると麻痺が残ったり、発音がしにくくなったり、顔の皮膚がたるむといった後遺症が残る恐れがあります。
失敗による後遺症を防ぐためには?
上下顎歯槽骨後退の失敗による後遺症を防ぐためにはクリニックおよび医師選びをしっかり行う必要があります。
上下顎歯槽骨後退の手術を希望するなら輪郭形成を専門に行っている医師を探しましょう。該当する医師がいれば、まずはホームページなどで経歴や実績、症例数を確認してください。但し、ホームページに記載されている情報が全て正しいとは限りませんので、契約する前に必ず医師と相談するようにしてください。その際に改めて医師の経歴などを確認した上で、治療に関してメリットとデメリットの両方を説明してくれるかどうか、こちらの質問を曖昧にせず丁寧に答えてくれるかどうか、万が一の保証についてなど確認しておきましょう。これらの条件に加えて治療前に検査をしっかり行ってくれたり、レントゲンなどを取って細かい治療計画を説明してくれるクリニックを根気強く探すようにしましょう。
上下顎歯槽骨後退は顔の印象に関わる手術となりますので、失敗する可能性を少しでも低くするためにクリニックおよび医師選びは妥協せずに行ってください。
上下顎歯槽骨後退に失敗、神経麻痺がおこるのは何故?一つずつ分析していきましょう。
上下顎歯槽骨後退は効果が無いって本当?
厳しい言い方になってしまいますが、上下顎歯槽骨後退のリスクは「効果が無い」ことではありません。歯を抜いて、骨や組織を切除する出っ歯や受け口を改善する手術なので、かなりの大手術なのです。医師には歯科矯正の知識だけではなく、手術によって最終的に顔のバランスがどうなるか判断できる技術が必要です。しかし、歯科・美容外科両方に精通した医師は少ないのが現状なのです。そのため、失敗が多いのも事実です。
上下顎歯槽骨後退の失敗例(1):顔のたるみ
顔のたるみやバランスの変化は、この手術の失敗の典型パターンです。歯科矯正のみで歯の傾きを改善しようとする場合、上下顎が後方に移動します。この時に骨を切除することになるので、医師には高いスキルが求められるからです。医師には審美性と外科スキルの両方が要求されるのですが、審美性ばかりを追求する未熟な医師の場合、顔のバランスまで配慮できないことが多いため、顔のたるみが起こってしまうのです。
上下顎歯槽骨後退の失敗例(2):神経麻痺
医師が顔のデザインという審美性ばかりを追求して、基本的な外科スキルやレントゲンなどの検査をきちんと行わない時に起こりやすい失敗例といえます。神経麻痺が行ってしまうと、残念ながら後戻りできないことがあります。いったん神経麻痺が起こってしまうと、流動食しか食べられない、発話が困難などの深刻な障害が残ってしまうことも少なくないので、クリニックや病院選びには細心の注意を払ってください。
名医を選んで、神経麻痺や顔のたるみを防ぐには?
歯科・外科両方の技術が必要なので、名医がいるクリニックや美容外科にはきちんとした資格証明書がわかりやすい場所に貼られています。一方、こういった資格証明書が受付や医師の部屋にも一切ない時は、リスクが高いといえます。また、名医と呼ばれる医師ほど後遺症のリスクを知っているので、レントゲンなどの基本的な術前の検査を怠りません。こういった病院は安心して、手術を受けることができるといっていいでしょう。
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